机の上の、赤い糸

それから教室に入り、自分の席について荷物を整理していたらもうチャイムが鳴って先生が姿を現す。


名簿を見て出席状況を確認した先生は、そのまま教室を後にした。



しばらくしてから授業が始まっても、あたしは授業なんか手がつかず放課後のことを考えていた。



何を言おうかな…
来てくれるかな…



そんなことばっかり。


だから授業で問題なんか出されたって答えなど…ましてや授業科目すら頭に入らずやっていたのだからわかるはずもなかったのだが、運良く指名されなかったことを心から感謝した。


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