机の上の、赤い糸

無理。


教室を出て、渡すチョコレートの袋を持って明くんとの約束場所へ向かう。



礼はあたしに向けて小さくガッツポーズをして、口をぱくぱくさせながら「がんばれ」と言った。




それに応えるようにあたしはこくん、と頷いた。








何を言おうか、考えてもいい案が浮かばなくてどうしようか迷ったが、練習なんかしてもどうしようもないと悟って、ゆっくり屋上への階段を登る。




カンカン、カン…



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