机の上の、赤い糸



辺りをきょろきょろと見回すと、隅っこのフェンスのところに頬杖をついた明くんがいた。






うまくいえるかな。





「…あ…きらくんっ」


少し上ずってたかもしれないが、そんなこと気にする余裕はない。


明くんは茶色がかった髪を風になびかせながら振り向いた。





「ああ、アンタか」


「…うん」




明くんがあたしを見てる。



やばい、心臓の拍動が大きくなってきた。



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