机の上の、赤い糸

―明君へ
今日の放課後、2ー1の教室で待ってます。来てください。―





あえて名前は書かなかった。


もし、来てくれなかったら…そう考えたら書けなかった。


…臆病者なあたし。けど、それも今日で終わり。



今日こそ伝えるんだ。

胸の内に秘めた思いを。


あたしは周りに誰もいないか確認してから、明君のげた箱へ気持ちを込めた手紙を置いた。


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