もう一度 笑って
「今、大きな音が……
と、智世っ!」

海も智世に駆け寄った

智世は真青な顔をして
苦しそうに
呼吸をしていた

「海、タクシーだ!」

朝倉が携帯を投げた

海が受け取るが
首を横に振った

「危ないんだろ?」

海が唇を噛んだ

「次、大きな発作が起きたら危ないって医者が言ってた

タクシーなんか待ってられない
俺が走る」

海が智世を抱きあげた

「わかった
病院に連絡しておく」

海に渡した携帯を
朝倉が握った

目の前で何が起きているのか
あたしにはわからないけど

智世が危険な状態にあるってのはわかった

朝倉も海も
智世がなんで倒れたかを知っている
智世に命の終りがきているって
二人はずっと前から
知っていたんだ




だから
守ってた



智世が幸せに
笑顔でいられるように


智世を守ってたんだ

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