もう一度 笑って
病室を出た

手術室の前にいる海を遠くから眺めた

海の他に
智世の母親も座っていた

「小久保さん」

海が、気がついてくれた

「あたし、帰るね」

「朝倉は?」

「寝てた」

「起きるまで……」

「いいって
智世の無事を願ってる
卒業式に会えるといいね」

あたしが微笑んだ

海も笑顔を見せる

疲れた表情も混じった笑顔だった

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