もう一度 笑って
あたしに背を向けて
居間に向かった

あたしは……
父親にも信じてもらえてない?

男と遊んでいたと思われた?

遊んでないのに
智世の病院に行ってただけだ

「ふっ、あははっ」

あたしは声を出して笑った

あたしは誰にも信用されてない

笑っちゃう
父親に信じてもらなくて

先生にも信じてもらえない

可笑しくて
涙が出てくるよ

「何を笑っている」

父親が振り返る
不機嫌な眉がぴくぴく動いていた


最低な親子だよ
あたしたちは
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