もう一度 笑って
「社長、遅いですね……ちょっと確認してきますね」

愛人が腕時計で時間を確認すると、レストランの個室から出て行った

もしかして…ドタキャン?

見合い相手のおじさんも本当は他に好きな人がいたとか?

「樹里、最後に確認しておくが、馬鹿な真似はしるなよ」

父親が念を押してくる

「はあ?」

「付き合っていた男と逃げるような真似だ
私の顔に泥を塗るな」

「塗れるものなら、今すぐに泥を塗ってやりたいよ」

あたしの言葉に、父親の眉が吊りあがった

父親が口を開きかけてとき、個室のドアが勢いよく開いた
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