もう一度 笑って
「何年ぶりかに親父に連絡したんだ

親父からは何度も連絡があったが、俺が取りたくなくてずっと音信不通にしてた

親父は俺に負い目があるから、強気に行動には出なかったけどさ

ずっと後継者が欲しかったんだ

親父にとって息子は俺しかいないから」



ニッと笑うが、朝倉の目が悲しいと訴えていた




「俺の両親が離婚したのは、いろんな理由が積み重なって母親が親父も元を去り、離婚ってなったんだ

その理由の一つに、親父の浮気癖や遊び癖もあったし

智世の…姉貴の病気もあった
あとは……俺の誘拐未遂ってもある

未遂だったし、俺も記憶にねえし…別に大したことじゃないけど

母親が姉貴を病院に連れて行ってる間、親父に面倒を見るように言ってたらしいんだ

だけど親父は仕事と女の約束があったらしくさ

俺を放って出かけたらしいんだよな

すぐに戻ってくるつもりで

女との約束をキャンセルして、仕事だけってつもりでさ

だけど、キャンセルされた女が逆上して家にいる俺を連れ去ろうとしたとか

まあ、仕事から帰ってきた親父にバレたから俺は誘拐されずに済んだけど

ま、そんなこんなですっかり家庭生活が冷え切ってストレスから母親が家を出たんだ

…んで、話が飛んで今に至るわけ」




話が飛び過ぎでしょ!
…まあ、朝倉が大変な過去を持っているってのはわかったけど




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