もう一度 笑って
「また親父がさ

女を見る目がなくて……最低な女ばっかにひっかるんだよ
人が良すぎるってかさぁ
馬鹿なんだよね

だから女が母親に攻撃してくるんだよ
親父もさ、母親が一番なら浮気すんな!って話なんだけど
仕事の付き合い上、無理とかで女のいる店に行って断れなくなって…ホテルに行って…女が勘違いして…

仕事以外、何もできない親父に俺も何度腹をたてたことか…」



朝倉がけらけらと笑い声がたてながら、話をしていた



「無理しなくていいよ」


「無理? なんで?」


朝倉が首を傾げた


「だって目が泣きそうだよ」


朝倉、口からは面白可笑しく言葉を紡ぎ出してるけれど

目が笑ってない

辛い過去だって語ってるんだ

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