もう一度 笑って
「勘違いしないでよ」


「樹里ぃ、機嫌なおせよぉ
なっ、今日の昼飯は俺が奢るってぇ」


朝倉があたしの腕を掴む


「昼飯で駄目だって言うなら
夕飯も奢るよぉ

あっ、そうだ!

俺のアパートに行こう
そこでゆっくり話をしようぜ

まずは樹里の怒りを鎮火しないと、なぁ」


朝倉が歩きだす
あたしは強く引っ張られて
朝倉に引きずられるように歩いた


「ちょ…っと!」


あたしは朝倉の腕を外そうと
抵抗を始めた


朝倉が振り返って
海のほうに顔を向けた

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