もう一度 笑って
6時半
あたしはどうしようかと
迷った


ここで朝倉の帰りを待つべきか


さっさと家に帰ってしまおうか


あと5分したら
あたしは帰ろうと心に決めた


ボロアパートに
いつまでもいても意味がないから


「もう、起きてたんだ
おかしいな、計算間違えたかな?」


玄関のドアが開くと
朝倉の声が聞こえた


制服に着替えて鞄を持ったあたしは
朝倉の顔を見ると睨んだ


「計算?」


「そう、計算」


朝倉がコートのポケットから
ごそっと何かを出すと


畳の上に放り投げた


写真だった
あたしの写真


下着姿で
布団の上で横になっている


さまざまな角度から
あたしの身体を撮っていた



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