もう一度 笑って

誰かが悔しがる顔を見たかった
智世はお人好しだから
すぐに悔しい顔が見れると思ったんだ

それに…海と付き合えば……」


あたしは言葉を止めた
智世は首を傾げている


朝倉はまだ
廊下にいるのだろうか


「見合が破談にできると
思ったから…」


あたしは小声で言った
なんか
朝倉には聞かれたくない


「え? お見合い?」


智世が大きな声で驚いた
小声で言った意味がない


「いつ?」


「3月14日
どっかの会社社長と
海なら父親の実家が資産家だから
どうにかできるかと思ったんだよね


だからもう…いいの
諦める



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