もう一度 笑って

「ごめっ……樹里
海く…ん、呼んで…
く、れる?」


智世が胸を押さえて
座り込んだ





苦しそうに顔を歪めていた




「と、智世?
どうしたの?
ねえ、ちょっと!」



智世は机に手を置こうとして
失敗し
床に倒れた


机同士がぶつかり合って
教室内に響いた




「智世!」




朝倉が教室に入ってきた


「小久保、智世の鞄を持ってこい」

朝倉が怒鳴った


あたしは何度も頷くと
智世の席に置いてある鞄を持ってきた


朝倉は智世の手首に手をあてて
脈拍を計測していた



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