年上彼氏は看護師さん
そう声をかけてきたのは薫さんだった。



私は驚いて持っていた雑誌を落としてしまう。



その時談話室の中から、「そのにいるのは誰?」



その声に私は又驚いてしまう。



身動きが取れない私は向きを変え走った。



どこをどう走っているのか分からない。



たけど逃げたかった。



今すぐここから。



私は病院の出口を飛びだしひたすら走る。



なんで、どうして、私は一体誰の子なの?



私はどこに行けばいいの。


もう苦しくて走れない。



たけどパパが追いかけて来そうで、



とにかく少しでも遠くに逃げたかった。



涙が止まらない。



悲しいのかも分からないのに、涙が溢れでる。



パジャマのまま逃げて来た事に今ごろ気付いた。



寒い。



寒くて体が震える。



多分熱があるんだろう。



薄暗い街の中を泣きながらパジャマのまま歩く私。



このまま消えてしまいたい。



体が揺れ倒れそうなる。



でも倒れなかった。



倒れそうになった私の体を抱き締めてくれたのは、



誰?



私の意識はそこで途絶えた。




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