年上彼氏は看護師さん
朝里の父親が俺を部屋に招き入れた。



「真人君そこに座って。君にもう一つの真実を話すよ。


朝里はまだこの事を知らないと思う。


たけど朝里が知るのはもう時間の問題だけどね。


朝里の本当の父親は、朝里の祖父なんだ。


つまり朝里の母親と朝里は姉妹だった。


それを知った朝里の母親は壊れてしまった。


今何処にいるのか分からないけどね。


朝里がこの事まで知ったら、朝里はどうなるだろう。


僕は朝里にこの事を知られるのが怖いんだよ。」



今の朝里にこの現実を話す事は不可能だ。



これ以上朝里を苦しめる事なんて出来ない。



朝里が壊れてしまう。



朝里の側にいるのは、俺じゃぁ駄目なのか?



俺じゃ朝里を助けられない?



俺は暫く自分に問いかけていた。



俺には何の力もない。


全ての現実を知った俺は、朝里に会う事を躊躇っている。



こんなちいちゃな気持ちの俺が朝里を守れる?



あんなに自分が朝里を守るって思っていたのに、



この重い現実が俺を苦しめた。






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