年上彼氏は看護師さん
俺が研吾みたいな大人だったら、



俺が看護師だったら朝里を守れたのに。



俺がまだ高校生だから朝里を守ってやれない。



あんなに傷ついた朝里にどう接して良いのか分からない。



朝里に会いたいのに、朝里の側にいてやりたいのに、


俺の体は動かない。



朝里が自分の父親に女として愛される事を知ったら、


自分の本当の父親が祖父だと知ったら、



朝里は朝里の姉のように壊れてしまわないか?



俺は怖くてもう朝里には近付けない。



これ以上朝里が悲しむ姿を見たくない。



だから俺は朝里に別れを告げる。



でも、それは俺がまだ子供だから、朝里を救えないからだ。



俺はこれから勉強をして朝里を救えるような医者になるよ。



その時が来たら朝里に会いに行く。




医者になるのに何年かかるか分からないけれど、



必ず朝里に会いに行くから。



でも、もうその時は朝里は研吾君の者になっているかも知れない。



それでもいいよ。



大人になった俺なら、研吾君と堂々と戦える気がするから。







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