年上彼氏は看護師さん
朝里の父親は暫く俯いたまま何も言わない。



『このまま朝里に会わないでいるか、


いつもと変わらないように、朝里を娘として愛する父親になるか、


どちらか一つを選んでほしい。


朝里を女として愛するのなら、もう二度と朝里には会わせない。


僕がどんな事しても守る。


たけど宮本さんが朝里を、自分の娘と思ってくれるのなら、


朝里の気持ちが落ち着けば会えるようにする。


僕は酷い事をいってるだろうな多分。


たけどもうこれ以上朝里を傷つけたくない。


だから朝里には、本当の父親の話しはしない。


朝里が美紗さんのように壊れてしまうかもしれないから。

宮本さんなら僕の気持ち分かってくれますよね。


あなたと僕は同じように朝里を愛しているのだから。』



「研吾は美紗を知っているのか?」



『はい、美紗さんは朝里と同じ病院にいます。』



宮本浩輔は椅子から落ちしゃがみ込む。



「美紗が生きていた。」







< 198 / 213 >

この作品をシェア

pagetop