年上彼氏は看護師さん
俺が泣いてる朝里を抱き締めると、



「あなた離れて、朝里ったら浩輔ばかりに甘えて、


嫌らしい。


こんな小さい癖に本当の母親そっくり。


愛人の子は何処までも愛人の子なねよ。


汚らわしい!」



美沙は子供の前で、なんて事言うんだ。



多分二才の朝里には、美沙の言葉の意味なんて分からないだろう。



でも朝里は母親に怒られたと思い、俺の胸の中で、


「ママごめんなさい。」と泣きじゃくる。



『美沙いい加減しろ。朝里はまだ二才なんだよ。


美沙の言い分は後で聞くから、


朝里パパとお風呂はいろうな。』



「あなたが又そうやって甘やかす。


私気分悪いから実家に帰りますから。」



美沙は一人娘のお嬢様。



父親は大会社の社長。



美沙と俺は大学で知り合い、気がつけば美沙の親に紹介され、



大学卒業後直ぐに結婚した。



美沙に上手い事流された感じがしたが、



美沙はあまり丈夫ではなく、気がついたら俺が守ってやりたいと思っていた。



多分それは愛情だと俺は思った。



だけどそれが愛情でない事に気付くことになる。






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