【短編】4年後の素直
その日から、連絡をしなかった。


南からも連絡が来なかった。


しおりの前では、気丈に振る舞いながら日々の生活を過ごした。


そんな私を救ってくれたのは、しおりの彼氏である湊太だった。


中学、高校の後輩でもある。


私の2歳下。


しおりの2歳上。


しおりが中学1年の時からのつきあい。


私としおりが心配なのか、なにかと家にきていた。


その日は、偶然、しおりがまだ帰ってきてないときだった。


私は、一人で感傷に浸っていた。


そんな私に


『さおさんって泣かないよね。
いつ泣くんですか?
涙って、感情を表す一つの道具にすぎないんですよ。
なのに....
それをすごい拒否してる。』


その言葉を聞いた瞬間だった。


なぜか、涙が出てきた。


しおりがそんなタイミングで帰ってきたから。


湊太は、しおりにすごい責められてたっけ。
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