先生なんかじゃない
初めて彼に会ったのは、新任式前の体育館だった。
まだ教室でホームルームをやってるはずの時間なのに、そこでバスケットなんてしてた三人の男子生徒。
「あれ、もしかして新しい先生?」
「いや、どう見ても新入生でしょ」
「あはは…、それ言えてる」
私の担当教科は体育だから、ちょっと見学でもしようと思って覗きに来てみたんだけど
その子たちの雰囲気がなんとなく怖かったから、教師のくせに後ずさりなんてしちゃって…。
そしたら
「なぁ~んで逃げんの?」
「え…ぅ…(汗」
ぴょんと私に近づいてきて、大きな手の平で頭をイイコイイコする…。
こ、高校生って
けっこう大きい~っ
「名前は?」
「…篠原彩夏、です」
「彩夏ちゃんね。オレらここの常連だから、どうぞよろしく」
「ぇ…え!?」