ネタも尽きたしお金もない。
何事かと異様な空気をかぎつけ、厨房にいた店長も出てきた。
「お客様・・・どうなさいました?」
カナとアロハシャツのおやじを交互に見ながら状況を探ろうとする店長。
レジから動けず、呆然と立ち尽くすあたし・・・
店長の質問にも答えず、アロハシャツのおやじは無言のまま店から出て行ってしまった。
今、持って行ったばかりの熱いお茶。
それをかぶったカナの顔は、涙とやけどで真っ赤になってしまっていた。
「れんちゃん。とりあえず、お客さん落ち着いたし、一人でフロアよろしくね」
「はい・・・」
とりあえずカナを休憩室に連れて行った店長。