ネタも尽きたしお金もない。
大したことないといいなと思いつつ、閉店するまでは仕事がある。
その後、お客さんも少なく閉店の時間を迎えた。
と、ちょうどその頃にカナが戻ってきた。
「大丈夫?」
心配で声をかけるもカナは無言のまま。
左の頬に大きなガーゼが当てられたカナの顔。
幸い軽症ではあったけれど、女の子だもん。
顔に怪我したということは、とてつもなくショックだろう。
無言のカナにどう声をかけていいかわからないまましばらく時間が過ぎていった。
その沈黙を破ったのは、閉店後の訪問者だった。
「失礼します」