ネタも尽きたしお金もない。
翌日。
例によってあの男から電話がかかってきた。
「それでは、合否を審査室から発表になりますので、審査室にお電話繋ぎますね」
「審査室の●●です。れんさんですね。・・・・合格ですね。おめでとうございます」
いかにも審査してますよーというような真面目で堅苦しい口調の男からそう告げられた。
そして、再びいつもの男へと電話の主が替わった。
「れんさん、どうでした?」
「合格でしたねぇ」
「おめでとうございます。そうしたらこれから僕が担当ですので、今後とも宜しくお願いしますね。それでは仕事を始めるにあたって・・・」
こうして、あたしはこの怪しい会社の試験に合格することができた。
今の仕事辞める前に次の仕事決まってよかった~と安堵した。
このときも全く不審感なんて感じてない。
ただ、いい仕事にめぐり合えたなというだけ。