ネタも尽きたしお金もない。


時間になり、タイムカードを切って更衣室から出る。



「おはよう。今日はあたしが教えるね。よろしく。」



カラコンが入った瞳。

ばっちりメイク。

女のあたしが見ても「かわいい」と思える。


今日は、そのさやかさんがあたしの指導係だ。



指導・・・とはいっても、一通りのことは田中さんに教えてもらったから、わからないことを聞くくらい。


だが、今日はお客さんも少ない。



「・・・ねぇ、田中さん。。。どうだった???」


さやかさんは突然、小声であたしにそう話かけてきた。


「・・・あ・・・、そういえば、みんな田中さんより厳しいって言われましたね。」



一番インパクトに残った昨日の言葉。


ためらうことなく、さやかさんに伝えた。




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