ネタも尽きたしお金もない。


高校の卒業式も終え、あたしの髪の毛はすっかり金髪に。


ま、この仕事している分には髪の毛の色なんて関係ないけどね。



初めてのアポが取れてからというもの、
1週間、全く2回目のアポは取れません。


あまり、危機感も持たず、のんびりといつものように電話。



すると、あたしの隣で電話をかけていた同い年の男の子がボスに呼ばれました。


この男の子とは、初出勤の日にちも一緒だったので、
バイト同士が会話しない職場ですが、顔は覚えてました。


小さな部屋に数人が密集しているこの職場。


ボスの席もすぐ近く。


ということは、ボスとこの男の子の会話がまる聞こえなのです。


同じ日に入って、ボスに呼ばれたのは男の子だけ。


何か、特別な仕事でも与えるのだろうか。


ボスの目からみて、あたしよりも優秀な何かを持っていたから呼ばれたのだろうか。


何を話すのか、気になって仕方ないあたし。


電話をかけながらも、二人の会話に耳を傾ける。






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