俺様!何様?執事サマ!?
「別に気持ちに答えてほしいわけやないねん。ただ……」
櫂がネクタイをほどく。
青いそれは私の首にまわって、すぐに形になった。
真剣な櫂の顔。
優しい気持ちが、また、涙腺を刺激する。
「ひとりでは、泣かんといてほしいから」
いつも私は、櫂に甘えるばっかりで。
そんな私が、櫂のお願いを断れるわけがない。
私は、手に持つそれを櫂の首にかけた。
「好きとか…わかんない、けど……私は、櫂のこと、大事だよ」
聞こえるかわからないぐらいの声で言ったら
櫂は「それでじゅーぶんやわ」って、笑ってくれた。