俺様!何様?執事サマ!?
首をかしげる爽を見て、櫂は小さなため息をついた。
(………なぁんでこう2人して鈍感なん?俺があきらめた意味ないやん、これ)
「………わかんねぇ」
「………ほんまに」
「マジメに」
「わからんの?」
「おう」
開き直って、爽は頷く。
櫂は無言で自分と葛藤する。
(これもう教えたってええんちゃう?いやでもわざわざ言うんもなんかシャクやな。……………ああもう、俺アタマ使うん苦手やねん!!!)
くるくる変わる櫂の表情に爽は笑う。
「…………どうした、百面相」
―――ブッチィン!!
櫂の堪忍袋の緒が切れたもよう。
立ち上がって、
「愛ちゃんはオマエのこと好きなんやっちゅーねんッ!!」
言ってしまった後、彼が心の中で果てしない後悔をしたことは、誰も知らない。