俺様!何様?執事サマ!?
「……愛」
低くてかすれた甘い声を出すのは、絶対わざと。
ちゅ、と音をたてて、顔にキスするのもわざとだ。
「俺、あのことをずっと引きずってた」
おでこに。
「ずっと、俺のせいだって気にしてた」
鼻先に。
「だけど……少し、肩、軽くなった…」
頬に。
爽と目が合う。
綺麗に笑っていた。
なんだか、ちょっとだけ、すっきりした表情にも見える。
顔が、近づく。
―――『爽だけのせいじゃないもん』
「………愛の、おかげ」