俺様!何様?執事サマ!?
爽の腕のなかは、あったかくて、安心する。
しあわせー…………
「……あ…それでなに。俺が卒業して、どうするって?」
ハッ!!
そうだ、幸せボケしてる場合じゃなかった!!
こくこくと頷く。
「だって、爽は残らないでしょ?」
「あー、俺は大学行くつもり」
「ほらほらほら!!」
腕を突っ張って、爽から離れる。
「いいじゃねーか別に。会えなくなるわけじゃないし」
「そうじゃなくて、私、執事いなくなっちゃうよ。留年しちゃう」
私は必死なのに、爽は薄ら笑いをうかべるだけ。
「………他のヤツ、執事にすりゃいいじゃん」
そうやってからかうように言われて、なんだか傷ついて。
私の口から本音が、こぼれる。
「………爽じゃなきゃ、やだもん……」