特別編†チョコレートとキミ†春輝 side
膝の上に感じた違和感
それでも目を瞑ったまま。
「春輝…いいよ?目開けて」
瑠雨が目を開けるようにそう促した。
だから俺は目を開けるとすぐに違和感を感じた膝の上に目を向けた…
そして膝の上に置かれてる物に目を大きく見開く。
『コレ…もしかして』
そう言うと俺の言った意味が分かってるのか瑠雨は黙って頷いた…
瑠雨が頷いたのを見ると
ラッピングもお構いなしに破って中身の箱を素早く取り出した…
それから箱を開けた中身はやっぱりチョコレートだった。
『瑠雨…コレ手作りだよな?』
「うん…手作りだよ。春輝のために作ったの…春輝に渡したかったけどね…もうムリだって思ってた…もう渡せないって…」
『俺も瑠雨からもらえるなんて思ってなかった…。だから今すっげぇ嬉しい!!』
頬に一筋雫が流れるのを感じていた…
瑠雨が手作りのチョコを
俺のために…。
やばいマジ嬉しい。
「春輝?」
『やべぇ…マジ涙出てくる』
そう言ってメガネを外し涙を指で拭う。
『本当…めっちゃ嬉しい』
素直な気持ちを漏らし
瑠雨の作ったチョコを1つ口に入れた…
『マジうまい!!コレ本当に手作りか!?お前すげぇよ!!』
俺の言葉にはにかんで笑う瑠雨…