許嫁
「君達の師は誰だ?」


話題を変えるように彼は聞く。


「師はいない。剣術は父から学んだ」


「そうか、君達の師は、軍人か?」


「あぁ」


答えてしまって後悔する。


「名前は?」


期待を裏切らず彼は父の名前を聞いてくる。


「言えない。父には秘密で出場している」


「そうか」


どうでもいい。と言ったように彼は頷く。
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