許嫁
女将さんの目の前には、2人の次の対戦相手がいた。


「あれ、俺達のこと知ってるの?」


はじめに口を開いたのは、リキ。


「はい」


「って、ことは2人はあの会場にいたのかな」


リキは2人を見比べながら言う。


「はい」


「女ずれで、出場とは言いご身分だな」


初めてヘキが声を発する。


「・・・」


だましている以上何を言われても怒ってはいけないと思う。


そう思う気持ちとは相反して怒りがふつふつと沸いてくる。
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