許嫁
「あら?雪菜ちゃん!!」


呼ばれて振り返ると大家さんがいた。


「あ、あの・・・」


動揺して口が回らない。


「お母さんに聞いてないの?」


「何をですか?」


大家さんに詰めよればびっくりした様子で目を見開いた。


「今日お引越でしょ」


「・・・・・」


「急に今のお仕事からどこかの企業に移られて、そちらの近くにお引越されるとかいってらしたけど・・・」


すでに、大家さんの言葉が耳に入っていなかった。
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