許嫁
「俺に聞きたいことあるでしょ」


楽しそうに言う健太はいつもの学校とはまた別の雰囲気を醸し出している。


さすがに２人きりになると彼の色気に当てられそうだ。


「何から聞きたい？」


聞きたいことはありすぎるのに、「どれから？」と聞かれると答えられない。


「と言っても、何から聞いて言いか分からないよな。俺も始め聞いた時びっくりしたもん」


健太がそう言って私を見つめる視線は、どこか懐かしい。


ドキッ・・・と胸を締め付けられる。


なんで、こんなにドキドキするんだろう。


他の女の子と同じように彼の色気に充てられたのだろうか。


「俺・・・」


さらに色気を振りまく彼に心拍数を上げさせられた。


「入るわよ」


ノックと同時にドアが開く。


「お母さん！」
「母さん」


２人の声がハモル。
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