許嫁
―遡ること15年前―


2組の夫婦に待望の子が生まれました。


1組には男の子、もう1組には女の子。


ここまで、話せばだいたいの人が予想どおり、2組の夫婦は1つ約束を交わしてしまった。


『将来自分達の子を結婚させよう』と・・・。


当然反対する者はいなかったらしい。


類は友を呼ぶ。


こんな諺があったことを思い出す。


「まずはお友達からはじめてみて」


そう言って2人の母は、書斎を後にした。
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