許嫁
「お母さん、ご飯できたよ」
明るい声で母の部屋のドアを開け、カーテンを開ける。
う~っといううめき声をあげながら布団で光を遮断しようとする母から布団を奪い取る。
低血圧を理由に母は朝が弱い。
低血圧と朝が弱いという因果関係は証明されていないらしいが、あえて突っ込まないことにしている。
「はい、コーヒー」
私が出したコーヒーをすすりながら、ベットから這い上がる。
「はー、インスタントか」
「ごめん。今日、日直だからもう行かないとなの」
文句があるなら自分で入れてほしい。という本音は隠して謝る。
「今日の献立は?」
「ひじきの煮物に。焼き魚。御浸しにお味噌汁。お弁当はお楽しみ。ってことで私はもう行くね」
朝の会話はいつもこんな感じで成り立たない。
私は気にせず鞄を持って玄関を出た。
「行ってきます」
「はい、いってらっしゃい・・・ちょっと凛ちゃん」
母の呼び止める声を聞き逃したことを後悔するのはもう少し後のことだ。
明るい声で母の部屋のドアを開け、カーテンを開ける。
う~っといううめき声をあげながら布団で光を遮断しようとする母から布団を奪い取る。
低血圧を理由に母は朝が弱い。
低血圧と朝が弱いという因果関係は証明されていないらしいが、あえて突っ込まないことにしている。
「はい、コーヒー」
私が出したコーヒーをすすりながら、ベットから這い上がる。
「はー、インスタントか」
「ごめん。今日、日直だからもう行かないとなの」
文句があるなら自分で入れてほしい。という本音は隠して謝る。
「今日の献立は?」
「ひじきの煮物に。焼き魚。御浸しにお味噌汁。お弁当はお楽しみ。ってことで私はもう行くね」
朝の会話はいつもこんな感じで成り立たない。
私は気にせず鞄を持って玄関を出た。
「行ってきます」
「はい、いってらっしゃい・・・ちょっと凛ちゃん」
母の呼び止める声を聞き逃したことを後悔するのはもう少し後のことだ。