許嫁
「牧野さん部屋に案内するよ」


台風のような2人が去った後、健太が先に口を開く。


部屋は健太の隣。


城みたいな家の中で知り合いが近くにいるのは心強い。


「はぁ~。疲れた」


ベッドに飛び乗り、横になる。


それにしても広い部屋だ。


以前母と2人で住んでいたマンションの全面積くらいはある。


「なんか寂しいな・・・」


口に出してみると寂しさが増す。


コンコン、ドアをノックをする音に、あわててベッドから飛び起きる。


いつの間にか寝てしまっていたらしい。
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