許嫁
「凛、明日、付き合ってくれない」


「・・・」


今、『凛』って呼んだよね。


「どうした?」


「えっ、名前」


「あぁ、一緒に暮らすなら苗字よりも名前の方が便利だろ」


当然と言えば当然だ。


「あぁ、そうね。で、どこに付き合えばいいの?」


「動物園」


「動物園?」


どうせなら遊園地の方がいい。


「今作ってる書類の次の企画用にデッサン用写真を撮りにね。企画書の締め切りが近いし明日学校休みだし、行ってこようと思うんだ」


「そっか、男の子ひとりじゃ、恥ずかしいもんね」


「まぁ、そんなところだ」
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