許嫁
あの日から2週間、凛とはまともに話をしていない。


あからさまに避けられている。


梅雨時を迎えさらにイライラは募る。


「健太、最近早いね」


「テスト前だしな」


そんな理由で早く来ているわけではない。


凛があの日以来早く学校に来るからだ。


学校に来れば話しかけられると思っていたのに、とっかえひっかえ別の人間と一緒にいてとても割って入れそうにない。


「あぁ、なるほどね。最近、凛ちゃん以前にもまして健太のこと避けてるもんね」


「別に」


俺の視線が凛に向いていることを知って、からかうように言う。
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