許嫁
雪乃はつまらなそうにコーヒーをすする。


どうも私一人の勘違いではなかったらしい。


「私・・・」


言葉が続かない。


「答えなくていいから、とりあえず仲直りしてあげて」


「だから、本当に・・・」


喧嘩なんかしていない。


そう言いきれないのは後ろめたさがあるからだ。


「避けてるでしょ」


「それは・・・」


「明日は、2人で登校してくること。いい?約束だからね」


強引に約束を取り付けると残りのコーヒーをすすって伝票を片手に先に帰って行った。


結局、雪乃の分も支払いをするらしい。
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