許嫁
「あら、その健太さまは『これ結構面白いんじゃない?きっとA組もC組の連中も喜んでやってくれると思う』とおっしゃってたけど?」


「それなら仕方ありませんわ。健太さまに免じて台本のことは、お許しします。ですが、なぜこの女がシンデレラで、私が継母の役ですの」


「それは、私生活とマッチしているからじゃない。凛に何癖つけていじめるのあなた得意じゃない」


どうやら今回は、雪乃の圧勝らしい。


「な・・・」


返す言葉が見つからない彼女は足早にその場を去って行った。


「雪乃、大丈夫かなぁ。また何かされたりしないか心配だよ」


「大丈夫。私がついてるよ」


それは、私にとってプラスなのかマイナスなのか今のところは微妙だ。


雪乃は私の代わりに言い返してくれるのはわかる。


でも、そのせいで更に反発を受けるのもまた事実。


健太と一緒に暮らしている事は黙っていて正解だったと思う。
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