許嫁
「はぁ~。疲れた」


そう言ってベッドに飛び込むのが最近の凛の日課だ。


寝転がりながらパラパラと台本をめくる。


無事終わればいいけど・・・。


健太の親衛隊の動きが気になる。


確かにママ母だの、意地悪な姉だのあまりいい役を与えなかったのが気になるところだ。


コンコンコン。


ノックの音に体を起こし、返事をする。


「あれ?今日は、大道具作りで遅かったんじゃないっけ?」


健太は、大道具係も拝命されている。


私同様抵抗はしたものの、雪乃によって却下されたはずだ。


「設計図は俺が書いたんだ。後は知らん」


「さすが」
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