許嫁
急いで教科書を見ると6問もある。


「先生、いくらなんでも6問は多すぎません。~半分にして」


おねだりするように両手を首の前で組み、下から見上げる。


「しょうがないなぁ、じゃそこで堂々と寝てる石神!」


クラスの視線が石神健太に集まる。


健太は、起き上がり先生を見る。


似てる?


起き上った健太の顔が夢の男の子に似ている。


「まさかね」


独り言を呟き、席を立つ。


「…何?やまちん」


起きたばかりの健太は教科書すら出していない。


「お前は、56ページの4から6な」


教科書を出すように催促して指示する。
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