許嫁
「お願い」


両手を合わせて拝んで見る。


「・・・」


「まぁ、そんなに怒らないで。そんなことより、設計図見せて」


怒っている健太の隣に座り直す。


こうできるのも彼が本当の意味で怒っていないってことをわかっているからだ。


「やだ」



「え~。減るものじゃないしいいでしょ。どうせ、完成したら全校生徒が見るんだから」


「減る!!」


設計図らしき紙の束を私が届かないくらい高くにあげる。


ベッドに乗って手を伸ばして見ても届かない。
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