許嫁
「見惚れた?」


「うん。自分の腕にね」


からかうように言う健太に舌を出して見る。


「凛、やっぱり、剣道部入ろうよ」


「えぇ、今更?」


もうすぐ夏休み、入部するには時期的に遅い。


「凛なら問題ないよ」


「考えとく」


気のないそぶりでそう答える。
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