許嫁
「シンデレラ、玉ねぎをみじん切りにして?」


毎日の炊事は、シンデレラの仕事。


毎日の洗濯は、シリアの仕事。


掃除は2人で分担して行う。


家事が全くできないわけではないのに、母が厨房に立つのは、決まって、ミリアが「お母さんのおいしい〇〇が食べたい」と言ったときだ。


とは言うものの、本日のメニューで必要不可欠な玉ねぎのみじん切りは、目がしみるため、シンデレラの仕事になる。


「炒めていい?」


聞いてからやらないと、またいじけるため、フライパンに油を敷きながら聞く。


「いいわ。今日は私がやるから、シンデレラちゃんは座っていて」


「じゃあ、お願いします」


一抹の不安を抱きながらキッチンを後にする。
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