空色

●タオル

from誠

止まらない涙。
ボロボロと流れていって
このまま、この気持ちも

流れればいい。




そう思ったとき、

海のような
空のようなタオルが頭にかけられた。




『・・・なに泣いてるんだよ』

ふゎっとした感触は国光のタオルだったんだ。

困ったような顔をしてあたしを見下ろしている。

何となくあげた顔は涙でボロボロ。
たぶん赤くなってるんだろうな・・・


急に恥ずかしくなって

立ち上がって前髪で顔を隠す。

・・・まぁ、
タオルで隠れてるし、
暗いからわからないと思うけど。


「別に・・・、なんで国光がここにいるんだよ。」

なんつーどうでもいい事を聞いてるんだ、  あたしはっ!


『なんでって残り練習だけどよ・・・』

困った顔してるよ、国光。
あたしのせいだ、ゴメン。


――――――――なんて考えてたら、

さっきの

あたしが泣かした
女の子の涙を思い出しちゃって





視界が水中に逆戻りした。











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