空色

バスケのコートの中。

リングの手前にあたしと国光。

二人でいつも部活前にやってるフリースローゲーム。

『時間ねぇから一発勝負で行こうぜ。あっ、練習はアリで!!』

ソレは一発勝負とは言わないんじゃないのかな・・・
でもコクンと頷いてボールを投げる。


ガコンッ!!

リングに当たって見事にボールが跳ね返る。


ころころ、転がったボールは見ていたアイツの足下に。

「あっ、ゴメン・・・」

拾わなきゃ、そう思ってかがむ。
ボールを拾って、ゴールに向かって・・・ってぇ!!!

「痛い、痛い痛い痛い!!!」

ガッと頭を捕まれて、タオルで乱暴に顔を拭かれる。

―――――でも拭かれると言うよりは

・・・・こすられてる。


『んな顔してっから入らねーんだよっ!!』
「わかったっ、痛い!!離せ、バカ!!」

やっと離してもらって 
今度こそボールを持ってゴールに向かって・・・シュート!!


パサッ


ボールは吸い込まれるように
リングに入っていった。

「どぉーだ!!」
『おー。スゲーな・・・。』

そう言ってニカッと笑ってくれる国光。





・・・どき・・・ん・・・







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