空色

脳が考えることを停止したらしい。

どうしよう・・・

どうすればいいの?



朝日がやっと差し込んだ体育館は

ヒンヤリした空気で、
あたしと陸をつつんでいる。



「ちょっと待ってよ・・・」

自分で出したのかもわからない声。
いつものあたしじゃない、小さい声。

『だめ・・・かな?』
「そうじゃなくて・・・」





何て言えばいいのかわからないよ。




『まぁ、もうすぐ朝練始まるし。
 今度・・・聞かせてよ。』



キラキラした笑顔、

いつもの王子スマイル。


あたしに笑いかけて


どっか行ってしまった。







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